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【社会保険のキホン】健康保険・厚生年金・雇用保険の仕組みを給与明細から分かりやすく解説

※本記事はPRを含みます

社会保険のキホン】健康保険・厚生年金・雇用保険の仕組みを給与明細から分かりやすく解説

給与明細の「控除」って何?社会保険のキホンを徹底解説

質問するプラチナちゃん

プラチナちゃん:ミントちゃん、初任給をもらったんだけど、思ったより手取りが少ないの…。『社会保険料』っていうのが引かれてるみたい。

解説するミントちゃん

ミントちゃん:それは、将来のもしもに備えるための大切な保険料ですよ、プラチナちゃん。この記事で、社会保険が私たちの生活をどう守ってくれるのか、一緒に見ていきましょう!

初めて手にする給与明細。期待に胸を膨らませて開いたものの、「総支給額」と「差引支給額(手取り)」の差に驚いた新社会人の方も多いのではないでしょうか。その差の大きな要因が、給与から天引きされる「社会保険料」です。

「何のために引かれているの?」「健康保険と厚生年金って何が違うの?」そんな疑問を抱くのは当然のこと。しかし、この社会保険こそが、病気やケガ、失業、そして老後といった人生の様々なリスクから私たちを守ってくれる、非常に重要なセーフティーネットなのです。

この記事では、新社会人・若手社員の皆さんが知っておくべき社会保険の基本を徹底的に解説します。読み終える頃には、給与明細の数字の向こう側にある「安心」の意味を、きっと理解できるはずです。

この記事でわかること
  • 給与から天引きされる社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)の役割と違い
  • 保険料が「いつから」「いくら」引かれるのか、その計算方法
  • 病気や休業、失業した時に、具体的にどんなサポートを受けられるのか
  • 退職した後の社会保険の手続き方法

この記事の目次

会社員が加入する3つの社会保険|それぞれの役割と違い

疑問を持つプラチナちゃん

プラチナちゃん:健康保険、厚生年金、雇用保険…どれも似ていて違いがよく分からないわ。

分かりやすく解説するミントちゃん

ミントちゃん:大丈夫ですよ。簡単に言うと、健康保険は『今の医療費』厚生年金は『老後の生活費』雇用保険は『働けなくなった時の生活費』に備える保険です。それぞれ守ってくれる範囲が違うんです。

会社員が加入する社会保険は、主に「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」の3つです。(※厳密には40歳になると「介護保険」も加わり、業務上のケガなどに備える「労災保険」もありますが、ここでは新社会人がまず理解すべき3つに絞って解説します)。これらは、私たちの生活における異なるリスクに備えるためのものです。それぞれの役割を正しく理解しましょう。

①病気やケガに備える「健康保険」

最も身近な社会保険が健康保険です。これがあるおかげで、私たちは医療費の心配を過度にすることなく、病院で診察や治療を受けることができます。

主な役割:医療費の自己負担を軽減する
健康保険の最大のメリットは、医療機関にかかった際の医療費の自己負担が原則として3割に抑えられることです。例えば、風邪で病院にかかり、治療費が1万円だった場合、窓口で支払うのは3,000円で済み、残りの7,000円は健康保険が負担してくれます。

さらに、入院や手術で医療費が高額になった場合でも、自己負担額には上限が設けられています。これを「高額療養費制度」といい、家計が破綻しないように守ってくれる仕組みです。

こんな時にもらえる給付金

  • 傷病手当金業務外の病気やケガで連続して4日以上仕事を休み、給与が支払われない場合に、生活を保障するために支給されます。おおよそ給与の3分の2が、最長で通算1年6ヶ月間受け取れます。
  • 出産育児一時金被保険者やその被扶養者が出産した際に、子ども一人につき50万円(2024年時点)が支給され、出産費用の負担を軽減します。
  • 出産手当金:出産のために仕事を休み、給与が支払われない場合に、産前産後休業中の生活を支えるために支給されます。

②老後の生活を支える「厚生年金保険」

厚生年金保険は、主に老後の生活に備えるための制度です。日本の公的年金は「2階建て」構造になっており、厚生年金はその2階部分にあたります。

主な役割:老後の所得を保障する
会社員は、20歳以上の全国民が加入する「国民年金(1階部分)」に加えて、上乗せで「厚生年金(2階部分)」に加入します。厚生年金の保険料を支払うことで、国民年金の保険料も同時に納付したことになり、将来、国民年金の「老齢基礎年金」に加えて「老齢厚生年金」を受け取ることができます。これにより、自営業者など国民年金のみに加入している人よりも手厚い年金を受け取れる仕組みになっています。

老後だけじゃない!万が一の時も保障

  • 障害年金現役時代に病気やケガで障害を負ってしまった場合に、生活を支えるために「障害厚生年金」が支給されます。
  • 遺族年金:被保険者が亡くなった場合に、その人に生計を維持されていた遺族(配偶者や子など)の生活を守るために「遺族厚生年金」が支給されます。

 

③失業や育休に備える「雇用保険

雇用保険は、労働者の雇用の安定と生活を守るための保険です。主に、失業して収入が途絶えてしまった時や、育児・介護で一時的に働けなくなった時に、私たちの生活を支えてくれます。

主な役割:失業中や休業中の生活を支える
最も代表的な給付が「基本手当(いわゆる失業保険)」です。会社を辞めて次の仕事を探す間の生活を心配することなく、安心して再就職活動に専念できるよう支援します。

ライフイベントにも対応

  • 育児休業給付金:子どもを育てるために育児休業を取得した際に、休業中の所得を保障するために支給されます。当初180日間は休業開始前の賃金の67%、それ以降は50%が支給され、経済的な不安を和らげます。
  • 介護休業給付金:家族の介護のために介護休業を取得した際に、生活を支えるために支給されます。
  • 教育訓練給付金:スキルアップやキャリアチェンジのために指定の講座を受講した場合、費用の一部が支給される制度もあります。

3つの社会保険の比較まとめ

保険の種類 主な目的・役割 どんな時に役立つ?(具体例) 保険料の負担
健康保険 病気やケガの医療費負担を軽減する ・風邪で病院に行く
・入院、手術をする
・病気で長期間会社を休む(傷病手当金
会社と折半(労使折半)
厚生年金保 老後や障害・死亡時の生活を保障する ・65歳になり年金生活に入る
・病気で障害を負う
・一家の働き手が亡くなる
会社と折半(労使折半)
雇用保険 失業や育児・介護休業中の生活を安定させる ・会社を辞めて転職活動をする
育児休業を取得する
・資格取得のために学校に通う
会社と労働者で分担(会社側が多く負担)

いつからいくら引かれる?社会保険料の仕組み

お金について考えるプラチナちゃん

プラチナちゃん:この保険料って、いつから引かれて、どうやって金額が決まるの?

仕組みを説明するミントちゃん

ミントちゃん:良い質問ですね!保険料は入社した月から発生して、翌月の給与から天引きされるのが基本です。金額は、4月〜6月の給与を基にした「標準報酬月額」という基準で決まるんですよ。

社会保険の重要性は分かったけれど、やはり気になるのは「いつから、いくら引かれるのか」という点ですよね。ここでは、保険料の計算方法から退職後の手続きまで、お金の流れを具体的に見ていきましょう。

保険料が決まる仕組み「標準報酬月額」とは?

健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給与そのものではなく、「標準報酬月額」という基準を使って計算されます。これは、毎月の給与(基本給だけでなく、残業代や通勤手当なども含んだ総額)を、キリの良い金額で区分したものです。

例えば、東京都の全国健康保険協会協会けんぽ)の場合、給与が255,000円~265,000円の人は、標準報酬月額「260,000円」として扱われます。この基準額に、定められた保険料率を掛けて保険料が算出されます。

保険料の計算式(健康保険・厚生年金)
標準報酬月額 × 保険料率 = 保険料
(算出された保険料を会社と従業員で半分ずつ負担します)

この標準報酬月額は、原則として毎年1回、4月・5月・6月の3ヶ月間の給与平均を基に見直されます(これを「定時決定」といいます)。つまり、この時期に残業が多いと、その年の9月から翌年8月までの社会保険料が高くなる可能性があることを覚えておきましょう。

一方、雇用保険料は標準報酬月額を使わず、毎月の給与総額に雇用保険料率を掛けて計算されます。

給与から天引きされるのはいつから?

社会保険の資格は入社日に取得し、保険料は入社した月から発生します。しかし、多くの会社では、その月の保険料を翌月の給与から天引きする「翌月徴収」という方法をとっています。

  • 例:4月1日に入社した場合
    1. 4月分の社会保険料が発生します。
    2. その4月分の保険料が、5月に支払われる給与から初めて天引きされます。
    3. 4月支払いの給与(初任給)からは、まだ社会保険料は引かれないケースが一般的です。

そのため、「初任給の手取りが思ったより多かったのに、2ヶ月目の給与が減った!」と感じる場合は、この仕組みが理由かもしれません。会社の給与規定を確認してみましょう。

 

退職したらどうなる?退職後の手続き

会社を退職すると、社会保険の資格も失います。特に健康保険は、何らかの公的医療保険に加入し続ける義務(国民皆保険制度)があるため、速やかな手続きが必要です。退職後の主な選択肢は3つあります。

  1. 任意継続被保険者になる
    退職日までに継続して2ヶ月以上被保険者期間があれば、退職後も最大2年間、それまで加入していた会社の健康保険を継続できます。ただし、これまで会社が負担してくれていた分の保険料も自分で支払うため、在職中の約2倍の保険料になります(上限あり)。
  2. 国民健康保険に加入する
    お住まいの市区町村が運営する国民健康保険に加入する方法です。保険料は前年の所得や世帯の人数などによって決まります。退職後は所得がなくなるため、保険料の減免制度を利用できる場合もあります。
  3. 家族の被扶養者になる
    配偶者や親など、家族が加入している社会保険の被扶養者になる方法です。これには年収が130万円未満であることなど、一定の条件を満たす必要があります。被扶養者になれば、自分で保険料を支払う必要はありません。

退職後の健康保険 3つの選択肢 比較表

選択肢 メリット デメリット 主な手続き先
任意継続 ・扶養家族が多い場合、保険料が割安になることがある
・給付内容が在職中と変わらない
・保険料が全額自己負担(約2倍)になる
・手続き期限が短い(退職後20日以内)
会社の健康保険組合 or 協会けんぽ
国民健康保険 ・前年の所得が低い場合、保険料が安くなる
・保険料の減免制度がある
・所得によっては保険料が高額になる
・扶養という概念がない
市区町村の役所
家族の扶養に入る ・自分で保険料を支払う必要がない ・年収130万円未満などの収入制限がある
・家族に手続きの負担がかかる
家族の勤務先

※保険料は個人の状況によって大きく異なります。退職前に、自分の場合はどの選択肢が最も有利か、必ず試算・比較検討しましょう。

 

まとめ:社会保険はあなたの生活を守るセーフティーネット

納得したプラチナちゃん

プラチナちゃん:社会保険って、ただ引かれるだけじゃなくて、私たちの生活を支えてくれる大切なお守りみたいなものなのね!

まとめるミントちゃん

ミントちゃん:その通りです!この仕組みを理解しておけば、病気やライフイベントがあっても安心ですよ。まずは給与明細をもう一度チェックして、自分の保険料を確認してみましょう。

今回は、新社会人が知っておくべき社会保険の基本について解説しました。

今回のポイント
  • 会社員が加入する主な社会保険「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険の3つ。
  • 健康保険は医療費、厚生年金は老後・万が一雇用保険失業・休業時の生活を支える。
  • 保険料は会社と折半(労使折半)が基本で、給与を基にした「標準報酬月額」で計算される。
  • 給与からの天引きは「翌月徴収」が一般的。
  • 社会保険は、私たちの生活を様々なリスクから守ってくれる強力なセーフティーネットである。

毎月の給与から天引きされる社会保険料は、決して小さな金額ではありません。しかしそれは、未来の自分や家族を守るための「安心」への投資です。この記事をきっかけに、ぜひご自身の給与明細を改めて確認し、社会保険制度への理解を深めてみてください。お金の知識は、これからの長い社会人生活を歩む上での、きっと大きな力になるはずです。

社会保険に関するよくある質問

Q1 新入社員の社会保険料は、いつの給与から天引きされますか?
A1: 社会保険料は入社した月から発生しますが、給与からの天引きは原則として「翌月払い」の給与から始まります。例えば、4月入社の場合は5月に支払われる給与から4月分の保険料が初めて控除されることになります。
Q2 健康保険証はいつ頃もらえますか?
A2: 健康保険証は、会社が入社手続きを行った後、通常2週間~3週間程度で発行され、会社経よりで手渡されます。届くまでの間に病院にかかりたい場合は、会社に相談して「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらうとよいでしょう。
Q3 パートやアルバイトでも社会保険に入れますか?
A3: はい、パートやアルバイトの方でも、週の所定労働時間が20時間以上であることや、月額賃金が8.8万円以上であることなど、一定の条件を満たせば社会保険の加入対象となります。
Q4 会社を辞めた後、健康保険はどうすればいいですか?
A4: 退職後の健康保険には、主に3つの選択肢があります。①元の会社の健康保険を最大2年間継続する「任意継続」、②お住まいの市区町村の「国民健康保険」に加入する、③条件を満たせば家族の「扶養に入る」のいずれかを選択し、ご自身で手続きを行う必要があります。
Q5 支払った社会保険料は、税金の計算で何かメリットがありますか?
A5: はい、ご自身で支払った社会保険料の全額が「社会保険料控除」の対象となり、所得税や住民税の計算をする際に所得から差し引かれます。これにより、納める税金の額が少なくなるというメリットがありますので、ご安心ください。

参考リンク

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